
もう少しエイサーを。
旧盆の道じゅねー(練り歩き)や全島エイサーまつりなど、私たちにとって欠かせない風物詩ですよね。実はエイサーは地域ごとに踊りや太鼓の打ち方、掛け声まで違いがあり、それぞれに独自の魅力があります。さらに近年は「創作エイサー」が広がり、伝統と現代が融合した新しい形も注目を集めています。
今回は、地域ごとの特徴と創作エイサーの魅力についてご紹介します。
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地域ごとのエイサーの違い
① 中部地域(沖縄市・うるま市など)
エイサーといえばまず思い浮かぶのが中部のスタイル。大太鼓や締め太鼓の迫力ある打ち込みに、華やかな隊列が特徴です。沖縄市は「エイサーのまち」として知られ、旧盆には夜な夜な青年会が道じゅねーを行い、まち全体が太鼓の音で包まれます。
② 北部地域(名護・国頭など)
北部は比較的シンプルで素朴な手踊りを残している地域が多いです。太鼓の数も少なく、歌や掛け声を大切にした静かな雰囲気が魅力。北部ならではの自然と一体となったエイサーは、どこか昔懐かしさを感じさせます。
③ 南部地域(糸満・豊見城など)
南部は念仏踊りの要素を色濃く残しており、手踊りや歌に重点を置いたエイサーが多く見られます。糸満市では「チョンチョンキジムナー」のようにユーモラスな踊りも伝わり、親しみやすい雰囲気が特徴です。
④ 離島(宮古・八重山など)
宮古や八重山では「エイサー」という呼び方はあまり使われず、地域ごとに独自の盆踊りや太鼓芸能が残っています。宮古島の「クイチャー」や八重山の「アンガマ」などは、祖先供養の精神を共有しながらも独自に発展してきました。
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創作エイサーの魅力
1970年代頃から登場した「創作エイサー」は、伝統をベースにしながら、音楽や振り付けを自由に取り入れた新しいスタイルです。
• J-POPや三線、和太鼓を組み合わせた舞台演出
• 大規模な隊列や華やかな衣装
• 観客を巻き込むパフォーマンス性
などが特徴で、観光イベントや学校行事でも人気があります。代表的な団体「琉球國祭り太鼓」は県内外だけでなく、海外でも活動し、沖縄文化を世界へ発信しています。
創作エイサーの最大の魅力は、「自由さ」と「発信力」。伝統を重んじる地域エイサーと並び立ち、沖縄の文化を多角的に広げる存在になっています。
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まとめ
エイサーは地域ごとに異なるスタイルを持ちながら、どれも先祖を想い、地域をつなぐ大切な芸能です。そして、創作エイサーは新しい形でその魂を表現し、県内外に魅力を発信しています。
同じ「エイサー」と呼んでも、北と南、中部と離島、そして伝統と創作でまったく違う顔を見せてくれる。だからこそ、何度見ても飽きないし、地元のエイサーが誇らしく感じられるのではないでしょうか。
この夏も、太鼓の音に心を震わせながら、自分の地域のエイサーの魅力を再発見してみませんか?
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